今話題の控除額103万円を178万円に引き上げる問題を財務官僚は絶対許さず、政治家なんてのは彼等の言いなりなのでこうなったのだと高橋洋一さんはおっしゃっている。何故ことごとく官僚は国民に不利益なことばかりするのだろうか。
これを小室直樹さんは著書「危機の構造
ー日本社会崩壊のモデル」の中で、日本のエリートというのは、
⑴ まず、自分たちこそ自覚せるエリートであり、この点において自覚せざる大多数の国民とは根本的に異なる。そして日本(人民)の運命は自分たちの努力にかかっている。
⑵ この努力は、所与の特定した技術の発揮においてなされる。
⑶ したがって、この所与·特定の技術の発揮においてのみ、全身全霊に打ち込めばその他の事情はすべて自動的にうまくいき、日本は安泰となる。
というような盲目的予定調和説こそが精神の因子であるということである。要するに平たく言うと、我々には思うところがあってやっているわけでこれによって犠牲者が出てもやむを得ないのだ。我々には目指す理想があるのだから。といったところだろう。
これは、今に始まったことでなく、2次大戦のときの暴走した日本軍の軍事官僚、60,70年代の公害を起こした企業の幹部、あと日本赤軍の人たちもこれと同じ思考回路であったとのことで、
これは日本人の病気だということである
この本は昔に出版されたものなので触れることはできなかったが、多分オウム真理教の信者もこういう意識だったのではないか。
だから、信者はあんな残虐なことを平気でできたのだろう。彼等にしてみたら良い世の中を作っているのだから、少しくらい犠牲者が出てもやむを得ないということではないか。
この“病気”の処方箋を誰かが考え出さねばならないとそうしないとまたこの“病気”で日本が破壊されると小室直樹さんはおっしゃっているがまさに今現在壊されているところだと思う。
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